トンボ鉛筆事件とは2011年の東日本大震災に重なって起きた、”株式会社トンボ鉛筆”の人事のメールが炎上した事件です。
その事件で人事を担当した佐藤佳弘氏の非道なメールと、GM・長尾弘司氏の神対応が話題となった後世に語り継がれる事件です。
今日は当時のトンボ鉛筆事件の詳細と、その主役となった人事担当の佐藤佳弘さんのその後について書いてみたいと思います。
また、事件の中で素晴らしい対応をした長尾弘司GMの行動についても書いてみたいと思います。
トンボ鉛筆事件を起こした”株式会社トンボ鉛筆”。“トンボ印”でお馴染みの老舗文具メーカー
社名 | 株式会社トンボ鉛筆 |
創立 | 1913年2月(大正2年) |
資本金 | 9千万 |
本社 | 東京都北区豊島6-10-12 |
主力商品 | 筆記用具(鉛筆、消しゴム) |
株式会社トンボ鉛筆(トンボえんぴつ)は、鉛筆、消しゴムなどの文房具を製造、販売する日本の企業です。
「MONO(モノ)」ブランドで知られ、2007年には消しゴム、修正テープ、スティックのり、テープのりの国内シェアは1位となっています。
1913年(大正2年)に初代社長小川春之助さんが浅草に前身「小川春之助商店」を開業し、1927年(昭和2年)に「トンボ印」を商標にして鉛筆を発売開始してます。
1955年(昭和30年)にはプロ野球球団高橋ユニオンズとスポンサード契約を締結し、一時期チーム名をトンボユニオンズとするなど、非常に景気の良い会社でありました。(改名は翌年に解消)
1963年(昭和38年)に50周年を迎え、最高級鉛筆MONOを発売開始しました。
誰もが知るベーシックな筆記用具メーカー。価格競争に巻き込まれずに付加価値で生き残れる素敵な会社
時代と共に進化している筆記用具ですが、トンボはコヨクやパイロットのようにトレンド・機能を深追いせず、ベーシックな商品を自信を持って作り続けている印象です。
”トンボここにあり”という付加価値で支持され続け、他社の商品を真似たり価格競争に巻き込まれない堅実なモノづくりをしてる安定したメーカーです。
就職を考えている学生からしたら、子供の頃からお世話になってきたトンボのブランドを守るというのは、とてもやりがいがあり、素晴らしい就職先だと考えることでしょう。
トンボ鉛筆事件とは?時系列で紹介。人事担当の佐藤佳弘の就活生への非道メールと長尾弘司GMの誠実な謝罪文
現在も語り継がれる2011年の就活時期に起きたトンボ鉛筆事件。
主役は当時の人事担当であった佐藤佳弘さんです。
ネットで一番名前を聞くのが佐藤佳弘さんですが、その他にも女性社員・黒川紗也香さんも関係していたとされています。
左の女性が黒川さんで、右の男性が佐藤さんです。
2011年3月1日 | トンボの会社説明会の予約開始。人事の黒川沙也香氏が「3時“頃”より開始」の曖昧な表現。 |
予約できた学生にエントリーシートを配布する際、人事の佐藤氏から「メリットを与えた」と高圧的な案内。 | |
2011年3月11日 | 東日本大震災発生で通信制限がかかる中、人事の佐藤氏から終活生に安否確認のメールが一斉送信される。 |
2011年3月13日 | 担当・佐藤が就活生にメールで「咄嗟のメールなので返信しなくても大丈夫」。”厳しい条件”として3月15日までに消印有効で郵送。条件が合わなければ「その先は言う必要ないですよね」との表現で選考に進めないことを伝える。 |
2011年3月13日 | メールを受け取った就活生がSNSなどにリークし大炎上。 |
2011年3月14日 | 総務部ゼネラルマネージャーである長尾弘司氏名義で、就活生の方々へ謝罪のメールが送られる。 |
2011年3月14日 | GMの誠実な謝罪文がネットに絶賛される。一方で佐藤氏の”やはりお話した方が”の謝罪文面が拡散され、佐藤氏への批判は収まらず。 |
2011年3月1日に人事・黒川氏から会社説明会の予約開始の連絡。時間が曖昧で不親切
トンボ鉛筆事件の始まりは2011年の3月1日です。
当時は就職氷河期と呼ばれ、トンボ株式会社のような名の知れた企業への就職はハードルが高く、会社説明会もすぐに予約が埋まってしまうような時代でした。
就活生はトンボ鉛筆の説明会の予約にしがみつきますが、その際に送られてきたメールの文面が、非常に”高圧的”であり”不親切”でありました。
おはようございます。トンボ鉛筆 黒川です。
先日ご連絡しました通り、明日3/1(火)に営業職会社説明会の予約が開始となります。
現在予約画面は表示されているかと思いますが、【地図】の横に【予約】とあり、その枠は今は空欄だと思います。
明日3/1にならないとこの空欄に予約ボタンがでてきません。
告知時間になりますと表示され押せるようになります。
それが予約開始の合図です。
また、あくまでも13時というのはジャストタイムとは限りません。
ご注意ください。
その前後の時間帯をしっかりとチェックしててください。
例年心配になって電話している最中に予約が始まって予約できない方もいます。勿体無いです。
ご理解ご協力よろしくお願いします!
2011年3月1日に会社説明会の予約を開始するのですが、事前に13時“頃”より開始するとの曖昧な表現。
予約開始時間を13時“頃”とされたせいで、就活生はパソコンやスマホの画面と睨めっこしながら、更新ボタンを連打しなければなりませんでした。
とても不親切ですし、高圧的な匂いがします。
この事件でよく聞く名前は佐藤佳弘さんですが、この最初の不親切なメールを送ったのは女性社員・黒川紗也香さんです。
会社説明会の予約ができた就活生に佐藤佳弘が”メリットを与えた”と高圧的なメールを送る
予約開始の説明が不親切であったトンボ鉛筆。
続いては、格闘ゲームばりの連打で無事に説明会の予約が取れた就活生に対して、今度は佐藤佳弘さんが高圧的なメールを送信します。
今回予約出来なかった方もまた一緒に加わり書類選考がされる可能性があります。
しかし、書類はまだ予約した皆さんしか持っていません。
運であろうとなんであろうと他人よりも先に1歩でたと言う事実に対してのメリットを皆さんに与えたいと思っています。
履歴書やエントリーシートを記入するまでもの凄く時間が与えられています。
説明会までの時間、みなさんがどんな風に過ごしたかで出来栄えが全然違ってくると思います。
予約が取れた就活生に対してのみ履歴書とエントリーシートを配布した上で、「メリットを与えた」と表現しています。
さらに、「説明会までの時間、みなさんがどんな風に過ごしたかで出来栄えが全然違ってくると思います。」と。
その一方で、予約ができなかった就活生に対しては、その後のエントリーシート等の配布についての詳細がありませんでした。
2011年3月11日の大地震直後に謎の安否確認メール。通信障害で無駄な連絡は遠慮すべき空気
2011年3月11日は大地震によって日本列島が大混乱していました。
多くの人が安否確認などでデジタルツールを酷使していた為に、通信データが重くなり、厳しい通信制限がかかっており、被災地での安否確認や救急要請などの本当に大事な連絡すら取れなかった状況でした。
そんな時、トンボの説明会の予約をしていた就活生に、佐藤佳弘さんが、
「地震大丈夫ですか?ケガはないですか?」
という内容のメールを一斉送信しました。
緊急性のないメールは控えねばならない状況の中、佐藤さんの行動に対して「非常識過ぎる」「独善的な行動だ」との批判が多く出ました。
又、就活生からすると、自分が受けようとしている会社の人事担当から届いた安否確認メールに、どう対応すべきかと悩んだことでしょう。
2011年3月13日。安否メールの言い訳&無茶な条件の提示、非道な表現。
震災から二日後の3月13日、震災で被災した学生たちに、またしても佐藤佳弘さんから非常な内容のメールを送りました。
就活生を気遣う素振りを見せる一方で、被災者にとっては絶望的な条件を与えていたのです。
こんにちは、トンボ鉛筆の佐藤です。改めて地震の方は大丈夫でしたか?
このメールを配信した中には、被災されている方が多数いると思います。
直接的な力にはなれないですが、私自身、都内から自宅のある埼玉まで徒歩で8時間かけて帰宅して、実際の東北の方に比べる程のものではないですが被災の怖さを感じました。
さて、先日は咄嗟のメールだったので、返信しなくても大丈夫ですからね。
会社は大丈夫です。揺れは大きかったですが、今のところ大きな事故・怪我の連絡は入っていないです。
本当は週明けに全員に送ろうと思っていたメールです。
こんなことくらいしか出来ませんが、履歴書とESをお送りします。
ただ、非常に厳しい条件をつけさせていただきます。
その条件とは1点だけです。
書類選考を希望される方は、添付の専用履歴書とエントリーシートをご確認いただき、3月15日(火)消印有効でその2枚をセットにし、下記までご郵送ください。
直前に説明会へ予約が出来た場合は、ひとまず書類持参でお越しください。
会場で通り一遍等の説明・指示はします。
その指示が難しい場合は・・・その先は言う必要ないですよね。
自分で考えてみてください。
皆様にも言いたいこと、不満があるのは重々承知していました。
全部ではありませんが、私も様々な心の奥にある声を見て・聞いています。
メールに添付された専用履歴書とエントリーシートを3月15日までに会社へ郵送することを要求。
3月15日の消印で郵送するには2日しかなく、特に震災の被害に遭った就活生にとっては、とても酷な条件です。
13日のメールを就活生にリークされて大炎上
佐藤さんは、期日までに書類を郵送できず説明会にも出られなかった者は選考に進めないことを、
「その先は言う必要ないですよね。自分で考えてみてください。」
と、感じの悪い表現で煽っていたのです。
このメールについに就活生の怒りは限界を超え、SNS上などでのリークにつながり、大炎上したのです。
当時の声では、
・メール書いてるときの佐藤の顔を想像する腹立つ
・文章が単純に変。漫画や映画の影響受けてる?
・人事部って神様なの?
など、怒りの声で溢れました。
と、トンボの説明会を受ける学生だけでなく、関係人たちまでもが怒りの声を出すなどクレームの嵐でした。
3月14日。総務部GM・長尾弘司の謝罪が誠実!神対応が話題になる
説明会の予約から続いた、トンボ鉛筆の非道な対応。
エントリーしていた学生がリークしたことで、ネット上では同社の対応に対して炎上。
しかし、この騒動に対しての「トンボ鉛筆」の対応は、非常に迅速でした。
トンボ鉛筆は、佐藤佳弘さんが炎上メールを送信した翌日の2011年3月14日、総務部ゼネラルマネージャーである長尾弘司氏名義で、就活生の方々へ謝罪のメールが送られます。
3月13日付 件名「トンボ鉛筆選考専用履歴書・エントリー送付」に関するお詫び
学生の皆様へ
平成23年3月14日
トンボ鉛筆 総務部ゼネラルマネージャー
長尾弘司
日頃から弊社へ格別のご理解を賜りまして深く御礼申し上げます。
さて、平成23年3月13日付で、
弊社人事グループ担当社員より発信しました
弊社採用活動に関する文書の中に、
不適切かつ配慮に欠く表現が多々ありましたことを
深くお詫び申し上げます。
先ず、東日本大震災発生の2日後に、
罹災した地域への配慮を欠いたかたちで
書類選考用紙等をメールし、
締切を15日消印有効としたことは
言語道断であります。
また、随所に平等を欠く表現もありました。
さらに、弊社担当者の立場上の驕り昂ぶりが
現れた言葉遣いが随所にあり、重ね重ねお詫び申し上げます。
つきましては、平成23年3月16日に
開催を予定していました会社説明会は
延期させていただくことにいたしました。
理由は、電力問題でライフラインに
支障をきたす危険があるためです。
そのため15日の消印有効としました
書類送付締切も無効とさせていただきます。
会社説明会の実施日は決定次第ご連絡申し上げます。
弊社は人材の発掘に努めており、
定時採用をたいへん重んじております。
書類選考の段階から役職者が加わり、
最終選考では役員が加わり、
全社的に平等かつ公平にこれを運用しておりますが、
採用担当者の発信文書の管理に問題がありました。
早速、公に発信する文書の事前社内校閲ルールを設置し、
再発を防止してまいりますと同時に、
当該担当者を厳しく指導しました。
改めてこの度、不適切かつ配慮に欠く
文書を発行しましたことを深くお詫び申し上げます。
さらに、トンボ鉛筆の公式ホームページにも後にネットで絶賛されることになる、見事な謝罪文を掲載しています。
問題点の改善を迅速に行ったことで、世間では長尾弘司GMの対応が素晴らしかったと話題となりました。
結果、「トンボ鉛筆事件」の炎上騒動は必要以上に長引くことはなく、わずか2日足らずで鎮火するに至っています。
佐藤佳弘の謝罪とその後。現在のクビ説や左遷説はガセネタ
長尾GMの誠実な謝罪対応で炎上で済んだトンボ鉛筆。
その一方で、非道メールの当事者である佐藤氏は、トンボ鉛筆の会社説明会は延期される旨を説明会を予約した就活生に知らせるメールを、佐藤佳弘さんらしき人物が送信。
そのメールの内容も酷かったとして、再びリークされていました。
また、やはりお話した方がいいと思います。
ネットで私が発信したメールについてご批判をいただいております。
この件に関しましては、被災地の方限定に面白半分で送ったメールではありません。
これだけは事実です。
ただ、文面・内容が不適格だった点は重く受け止めております。
メールをお送りした方には改めてお詫びしたいと思っています。
GMが全面的に謝罪しているのに対して、その後に上から目線「話しておいた方がいいと思います」との切り出しで、自分の批判へ何か不満があるかのようなニュアンスです。
”申し訳ありませんでした”というような、ハッキリとした気持ちの良い謝罪は一文もなかったそうです。
佐藤佳弘の現在。クビ、左遷、移動、自主退社の噂はどれも嘘?
今でもネット上で語り継がれる佐藤佳弘さんの非道メール事件。
その後の佐藤佳弘さんがどうなったのか気になります。
ネット上では、
’首になった”
”左遷された”
”移動になった”
など色々と噂があります。
事件後に長尾氏が学生に送信した謝罪メールには「厳しく指導」と書かれていましたが、正式なソースからの情報は皆無で、どれもガセネタっぽいです。
毎年3月付近になると、ネットの特定のサイトで佐藤さんの話題が出ますので、いつかは本当の近況がわかるタイミングが来ることでしょう。