コロナ禍で多くの飲食店が苦しんでいますが、国は協力金などわずかな対策しかしてくれません。

毎日、多くの飲食店の閉店がニュースになっていますが、中にはユニークな方法でお店の危機を伝えるお店もあるみたいです。

東京・荻窪にあるラーメン屋「かつくん」では、亭主がお店の外に、自分らがいかに危機的状況にあるかをダイレクトに伝える張り紙を貼って話題になっているのです。

東京・荻窪のラーメン屋「かつくに」が「協力金もらえず」「売る物もなくなり」とお助けの張り紙

2021年5月にネットニュースにもなった「もう限界かもしれません」と店の外に張り紙をしたラーメン屋。

昨今のコロナ禍の中で、東京・荻窪のラーメン店の女性店主が、お店の悲惨な状況を包み隠さず訴えた行動に注目が集まっています。

お店は旨辛ラーメンが評判の「旨辛麺 かつくに 荻窪店」です。

そのお店に張られた張り紙の内容がツイッターで紹介され、拡散されています。

赤っぽい字で強調されている「もう限界かもしれません」「美味しく一生懸命作ります」という言葉が心に響きます。

ツイッターでこの張り紙の写真が投稿されると、15万件以上もの「いいね」が寄せられてます。

かつくにの張り紙の内容全文

もう限界かもしれません

小池百合子都知事の休業命令により営業していませんでしたが、5月20日より営業致します。

3月からの国からの協力金ももらえず、お恥ずかしい話しですが売る物も(私物)も無くなりこのままではお店も1ヶ月ももちません。

もう限界です。

皆様、お客様、どうかお助け下さい。

美味しく一生懸命作ります。

「かつくに」を助けて下さい。

お願いします。

店主 えつ子

「かつくに」の店主・山﨑えつ子がインタビュー。張り紙を貼った理由

「旨辛麺 かつくに 荻窪店」の店主の名前は山﨑えつ子さん。まだ35歳と若いです。

ツイッターで話題になったのが5月20日でしたが、記者がインタビューしたのは翌日の21日です。

15時の閉店後にインタビューに答えたそうです。

お店の外に張り紙を貼った理由を、

「本当にお金も下りませんし、家賃と光熱費などが重くて店をやっていけず、昨日から営業を再開しても、このままでは閉めるしかない状況です。待っているだけでは潰れるだけですので、限界の中でやれるところだけはやろうと貼りました」

と、やれることは少しでもやりたいという思いから、張り紙を貼ってみたと仰っています。

お店の家賃は15万でその他に光熱費や仕入れ、人件費なども掛かって、月に最低でも80万の売り上げがないとやっていけないそうです。

コロナ禍の最中に強気にオープンしていた

実はこの「かつくに」がオープンしたのは昨年、コロナが日本に上陸し、緊急事態宣言が発令され、終了した6月2日にオープンしていたのです。

当初はコロナにも負けないと意気込み店名も「コロナに負けない」という意味を込めて、「コロナに勝つ国」として「かつくに」にしたそうです。

しかし、すぐに時短営業を強いられ、また夜にお客さんがほとんど来店しないということでお昼限定に切り替えたそうです。

1日に10杯しか売れない日もあったり、メニューの値下げを余儀なくされたり、散々です。

店主は私物のブランド品バッグやアクセサリーを全て売る

家賃の支払いも難しい状況だったということで、店主の方は自分の私物を片っ端から売り払ったそうです。

ブランド品のバッグやアクセサリー、売れる物は全て売り、なんとか食いつないで来たそうです。

えつ子さんは独身の一人暮らしだったということで、なんとかここまで来ていますが、仮に結婚していたらとっくに終わっていたと語ってます。

しかし、張り紙に書いてある通りに、すでに売れる物は全て売った状況で、いよいよ何ともならない状況になったということですね。

張り紙を貼った効果とその後。現在も安定してるとは言えない

お店の外にインパクトある張り紙を貼ってツイッターで拡散されましたが、その後にお店の売り上げは戻ったのでしょうか?

ツイッターで話題になった20日は、早速多くのお客さんが来たそうです。

もともと、お店の場所が通学路だったということで、困ったお店を助けたいという学生が多く来店したのではないでしょうか?

また店主の方はインタビューで、

「店に、『ツイッターで見た』と電話が3件ぐらいありました。三重県の人からは、『遠くてお店には行けないけど、頑張って下さい』と電話があり、励みになりましたね。ありがたいことに、今はバタバタです。ただ、JR荻窪駅前と言っても、買い物客ら人通りが少ないところです。味は自信がありますが、食べてもらえる機会が少ないので、この先どうなるかは分かりません」

とお店に行けなくても経済状況を心配して電話をかけてくれた方が何人かいたと話されています。

世の中には優しい人もいますね。

それでもこのご時世なので、結局はすぐに元に戻ってしまうことでしょう。

やはり、国が何か大胆な補償をしてくれない限り、コロナ禍で飲食は救えないのが本当のところですね。

「旨辛麺 かつくに 荻窪店」のお店の場所(地図)と味の評判

荻窪にあるラーメン屋ではありますが、立地に恵まれてるわけではないみたいです。

昨年にオープンして、口コミはまだ少ししかありません。

昨年の8月に訪問した方の口コミによると、かなりの行列ができており、並んで入店したそうです。

お店のポスターには、今回話題になった山﨑えつ子さんが「女性プロデュース」だとして顔写真入りで貼られていたそうです。

コロナ禍ということで座席の半分の感染対策で埋めていたそうです。

辛さは強めで、蒙古タンメンと親和性のある味だと評価されてます。

しかし、オープンしたばかりということでオペレーションの手際が悪いとの声もあります。

数少ない口コミを読んでみた感じ、現在の時点で全員が絶賛するような味ではないみたいです。

 

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